天切り松 闇がたり | 海辺の読書記

天切り松 闇がたり

著者: 浅田 次郎
タイトル: 闇の花道―天切り松 闇がたり〈第1巻〉
浅田次郎の、大正ロマン溢れる小説。1~3まで出てます。ちなみに、「天切り」とは屋敷の天井を奇麗に切り取って進入するための盗みの技術の事、「松」とは主人公・松蔵の事、「闇がたり」は六尺四方にしか聞こえないという夜盗の喋り方の事です。
留置所にやって来た謎の老人は、かつて「天切り松」と呼ばれた高名な義賊。「やい、若えの。こうして噂でもねえ騙りでもねえ本物の天切り松に出会ったおめえは果報者だ。」というと留置所の若者たちに自分の青春時代を振り返って語り始める。

この作品は、読んでいると本当に止まらなくなる。この作品を面白くしている要素を挙げるとキリがないが、魅力的な登場人物や感動的な話、読みやすく秀逸な文章等により、他の小説には無い痛快さを実現しているのではないかと思う。
「面白い」と素直に思える作品が読みたい方は、是非この本を読んで欲しい。

ところで、3巻の文庫化はまだですか集英社さん・・・。